Good Service Design Series

Stripe


ただモノを売るのではなく、「体験」という新しい価値を提供=サービスデザインしている国内外の企業をピックアップ。 サービスデザインにより、人々のライフスタイルに革命を起こしたポイントをご紹介します。

第7回は、アメリカのオンライン決済プラットフォームを運営している「Stripe(ストライプ)」です。Stripeは、2011年にアイルランド出身のパトリック・コリソンとジョン・コリソンの兄弟が

「Increasing the GDP of the Internet」(インターネットのGDPを増やす)

をビジョンに掲げ、Webでの決済の効率化を目指して創業しました。

Stripeは世界最大のデジタル起業家向けプラットフォーム

インターネットビジネスは他のビジネスより急成長を遂げているにも関わらず、現在、グローバルコマースの 3 パーセントしかオンラインで行われていません。複雑な規制、世界中の込み入った金融システム、エンジニアの不足などにより、インターネットエコノミーの発展が抑制されています。オンライン・コマースへの障壁を取り除くことは、新しいビジネスのスタート、既存する会社の発展、経済的なアウトプットの上昇や世界貿易まで 促進させます。ーStripe社HPより

あなたがインターネットビジネスを始めるとしましょう。「決済システム」を自社で用意しようとすると、開発に大変な時間とコストがかかります。
Stripeの特徴は高機能でありながら導入がとても簡単であること。簡単なコード(API)を組み込むだけで、自社サイトでのオンラインで課金が可能になります。Stripeを導入することで、あなたは本来のビジネスに集中することができ、世の中にイノベーションを起こすことができるかもしれません。
決済という観点からデジタル起業家をサポートする、それがStripeのプラットフォームなのです。

また定期的な決済を可能にする「Billing」や、不正利用や情報検索などオンラインビジネスに必要不可欠な特徴的な機能を加えることで、Stripe はクラウドファンディングや非営利団体、オンデマンドやマーケットプレイス、Saas(サービス型ソフトウェアなど、10 年前には存在不可能だった企業へのサポートを可能にしました。

その結果取引高は右肩上がりで成長し、Kickstarter、Slack、Pintrest、Twitter、Facebook、Salesforce.comなどのスタートアップから大企業まで、世界120カ国で数百万の企業がStripeを導入し、ビジネスを加速させています。

2015年には日本にも上陸し、2018年には新たにJCBカードの決済に対応しました。これによりさらに日本企業での導入も加速することでしょう。

サービスデザイン:起業家のイノベーション創出をサポートする

Stripeは決済機能を拡張させるだけでなく、2016年「Stripe Atlas」という新事業を始めます。
Stripe Atlasはアメリカ国外の起業家がアメリカで簡単に起業し、拡大させていく為のサポートをするサービスです。
法人登記の事務手続きや相談窓口だけでなく、起業家同士のコミュニティや、Stripeと連携している投資家やVCとの人的交流の支援もサービスのひとつに入っています。これもビジネスの拡大にはなくてはならない要素です。

手続きはとても簡単。フォームに必要事項を入力するだけで、アメリカ・デラウェア(※)州に会社を設立できます。ただ法人登記するだけではありません。銀行口座を開設して、Stripeのオンライン決済を導入し、税などの法務アドバイスも受けられる。言うなれば”アメリカ版スタートアップツールキット”です。

会社の設立には、煩わしい手続きが伴うものです。
私たちも経験しましたが、日本で株式会社を設立するのでさえ、2〜3週間はかかり、その後銀行口座の開設にまた数週間かかります。
さらにアメリカで起業しようとした場合、これまでは数ヶ月かかってものが、Atlasによってってわずか数日のうちにできるようになることで、起業家は本業に集中することができます。
これは決済サービスと同じく、起業家がイノベーション創出に力を注げるための大きなサポートになります。
これまでStripe Atlas を使って、サンフランシスコからスリランカまで世界120カ国の数千人もの起業家がビジネスをーから立ち上げてきました。

日本でもフリー株式会社が、個人事業主から法人まで、会計や人事、開業手続きのSaasを提供し、起業に伴うストレスを低減することで、多くの人に起業するという選択の間口を広げています。

サービスを使う全ての人に、その人が望む人生を送れるようサポートをする。

私たちが目指すGood Service Designを実現しているStripe。今後の展開も楽しみな企業です。



※なぜデラウェアなのか・・・デラウェア州の会社法が起業に適していること、また現地に事務所を構える必要がない、日本を含む海外でのビジネスをする分には税金がかからないなどのメリットがある。そのためアメリカで二番目に小さい州にも関わらず、上場企業の多くが法人を設立しており、国際企業も多く拠点を置いている。